仕事を通じて、色んな地域工務店さんからお話を伺います。
沢山の工務店の経営者の方、スタッフの方のお話を伺ってきましたが、新たな出会いのたびに思うのが、「同じような会社というのは2つとないなあ」ということ。
どの工務店さんにも経営者の方それぞれの個性・感性があり、それがその土地の地域性と相まって、唯一無二の会社の個性を醸し出しています。
経営者の方のこだわっているポイントも人それぞれ。
例えば国が推進するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)についてだけでも、全く関心がない人、状況は逐一把握しつつ敢えてそっちにはいかないという人、これからはZEHだからと熱心に取り組む人、と本当に人によって様々な反応をされています。
そんな様子を見ていて感じることは、その時々の流行やどこかで聞いてきた話に振り回されて右往左往しがちな人もいれば、自分の中で心の底から感じている「家と暮らしの価値」みたいなものがあって、それを指針に方向性を決めている人もいるなということ。
僕が見てきた中では、あきらかに「後者」の方が事業がうまくいっている印象が強いです。
というか、真っ当な仕事をして成功するためには、後者になることが必須の条件だと思います。
やはり「自分が本当に感動したこと」をベースに指針を決めている人の言葉には説得力があり、市場全体から見るとその数は少ないとしても、必ず共感してくれる人が出てきます。
時流に乗り遅れまいとその時々の情報を追い求めている工務店さんほど、どこかで聞いてきた伝聞を伝えている印象になりがちで説得力が弱く、他の工務店も同じような情報を仕入れて同じような話をしているので、結果として個性(=その工務店に頼む理由)が無くなってしまいます。
極端な話、地域のいち工務店が年間に建てる家の数なんて全体から見ると本当にごくわずか。
そのわずかな建物の一つ一つに、つくっている本人自身が「こんな家に住めたら最高だな」と思ってしまうほどのものを、情熱を込めてつくることができれば、お客さんの行列ができない方がおかしいと思います。
だってほとんどの工務店は、時流に乗り遅れまいと右往左往していて言葉にも売り物にも説得力がなく、頼りないから。
数千万もする買い物を任せようという気にはなかなかなれません。
「いきなりそんな風にはならない」のは当たり前です。
でもゆっくりでもいいから、そんな理想に、一歩一歩近づいていくのがやっぱり「王道」じゃないかな〜、そんな風に思います。